ブログ

BLOG

スタッフブログ
facebook twitter
2020年08月03日
コロナ禍の私たち~コミュニティ・オーガナイジングはどう活きたのか~ 第2回:井上広之

 

「26歳という若さでNGOの事務局長を勤めているんだからすごいよな〜。」

井上広之さん。

僕が初めて彼の名前を聞いたのは確かそんな会話だった。実際お会いしてみると噂に違わぬ人物で、ユーモアを持ち、親しみを感じる一方でやることはやる、そんなイメージの人だ。COJでは昨年9月に実施したマンスリーサポーターを募るためのファンドレイジングキャンペーンでの立役者だ。僕らは親しみを込めて「ひろさん」と呼ばせてもらっている。

彼は現在も国際NGOソルト・パヤタスの事務局長を勤められている。フィリピンで子ども、母親の支援を行う傍、啓発活動も欠かさない。そんな国を跨ぎ、組織を超えて活躍している彼に声をかけたのは、コロナ禍におけるNGOのリアルに触れてみたいと感じたからだった。

ロックダウンにより市民の外出が厳しく制限されてしまった街となってしまったフィリピンに彼はどう向き合っているのだろうか?

- 目次 -
1、国際NGOソルト・パヤタスとコロナ
2、困難を分かち合う対話
3、答えのない難問と共に
4、現地から希望を見出すオーガナイザーの視点
5、社会を変えたいと願う人をつくる

【この記事は約10分で読めます】

国際NGOソルト・パヤタスとコロナ

ーひろさん、お疲れ様です。今日は急なご連絡にも関わらず、ありがとうございます。ところで、10kg痩せたと聞きましたけどほんまに痩せはりましたね笑

そうやねん。食事制限と運動をしてて、最近、食事は前の感じに戻したかな。りゅうちゃんも痩せたよね。

 

ー僕はコケたとよく言われますが、僕の話はいいので早速お話を聞かせてください笑。実は意外とお話聞くのが初めてなので、そもそもソルト・パヤタスが何をしているか聞いてもいいですか?

そうよね。事業は3つあって、1つ目は子供への教育支援。そもそもうちは子どもたちに奨学金を出すのが始まりなので、教育支援が今も中心的な事業かな。2つ目は女性の収入向上支援。特に子どもを持つ母親たちに対して仕事の機会を与えるような活動をやってる。3つ目が啓発事業で、主にはスタディツアーやイベントをやってる。

1995年設立して、現在は3つの事業全体で見ると母子の支援を中心にやってる感じ。基本的には日本で支援してくれる個人・団体のスポンサー募り、その支援を現地の子供に届ける活動をしてて、僕は2代目的な立場やね。

 

ーへぇ、そうなんですね。どう言った経緯で2代目に?

学生時代にインターンをフィリピンでしてたのが最初やね。その時はNGOで働くなんて思っていなかったかな。生活費を稼ぐのも大変そうやし、その上、仕事はめっちゃ忙しそうって思ってたから。だから、NGOで仕事していくイメージがなくて最初は一般企業に就職した感じかな。

ただ、就職してからも国内で手伝えることは手伝ってて、東京でのイベントとかはよく行ってたね。でも、ソルトは福岡に拠点があるから、福岡に行ってまでって言うのはあんまりなかったけど。

それで、そうするうちにNPOやNGOの運営が面白いなと思えてきた。そう思えたのはもちろん、ソルトでのボランティアもあったけど、COJのコーチをさせてもらったりしたのも大きかったかな。

 

ーおぉ、大学から社会人にかけてソルト・パヤタスとは関わりを切らなかったんですね。どのタイミングでそちらへ移られたんですか?

一つは当時の本業があんまりピンときていなくて、普通に転職を考えたね。フィリピンに限らず海外、途上国に関わる仕事がしたいとは思ってたかな。たまたま丁度その時にソルト・パヤタスの今後の存続に関する話が団体内で出たんよね。当時、設立して20年くらいやっていたけど、今後どうしていくか…持続的な運営のために新しい人を入れたいという話に…。

それで職員の募集をかけるという話があったんやけど、これまでの職員を見ていると団体の財政的な問題もあって1年以上持つ人がなかなかいなくって…。その未来が見えて、また誰かすぐいなくなって団体が大変になるくらい僕がやりたいなと思った。

それが2016年。それから事業は続いてて、あれから5年くらい活動しているかな。2018年には創設者の方が一旦実務から離れられるようになって、ひとまず世代交代したという感じ。

 

ー団体も激動の中を潜り抜けて今があるんですね。そんな中、新型コロナが感染拡大しましたが、現在はどんな活動をされていますか。

3月中旬、フィリピンでロックダウンが始まって、指定業種以外は操業停止してん。公共交通機関も止められたね。地域によっては緩やかやけど、世界で一番ロックダウンが長いらしい。3月、4月は仕事できなくなる人が多かったね。

僕たちが支援している地域にはその日暮らしの人も多いから、生活の糧がない状況が続いてる。仕事ができなくなり、貯金もないという人が少なくなかったから食糧支援をやっているNGOもあったかな。うちの団体もロックダウンが始まって1週間後から、支援地域で食糧配布を始めた。日本も大変な状況やけど寄付集めを開始して、75万円くらいの支援が集まった。本当にありがたかったね。

食糧配布の支援を一旦完了させて、僕らは今大学の研究者と一緒にロックダウンが子どもに与える影響を調査するための準備をしている。一旦コロナによる瞬間的な危機を超えて、今後の活動をどうしていくかを考えていく段階に入っていった感じ。そういう日々が続いた中で、フィリピンで活動する他の団体さんはどうするんかなと思った。他の団体の人も多分思ってたっぽい。

というのは、僕が知っているフィリピンで活動しているNGOは事業規模は決して大きくはないけど、市民参加を大事にしながら経営しているところが多い。そういったNGOにとって個人の寄付や会費に加えて、スタディーツアーの収入はとても貴重な収入源やねんけど、今年はコロナの影響でそれができない。

ただ、他のNGOの代表とは2、3回挨拶程度で話をしたことはあったけど、みんな集まって話したことはなかったから「近況報告とかしません?」という流れで集まったのが最初。その時はみんなどうしているかを知りたいくらいの感じで。

 

困難を分かち合う対話

ー最初集まってからその後どう展開していったんですか?

5月中旬に最初に集まって、その時に、4団体集まり、それぞれやっていることは違っていた。あるところはその時点で、オンラインイベントに切り替えていて、すでに1回イベントを実施していた。しかも結構人数も集まっていた。その時点で夏までの計画もあってすごいなと。

他はストレートに団体の危機を訴える寄付キャンペーンをやってたり、公的補助のようなものもキャッチして申請も頑張ってたりと色々。うちはうちで大学研究者の人とロックダウンが子どもに与える影響を調査していたからその話を紹介したかな。

お互いに同じピンチでもやっていることが違うという話になって面白かったね。その時はそれで終わったけど「またこういうことができたらいいよね」と。2回目は2週間後くらいに実施したかな。

話す中でわかってきたのは他の団体も今年の資金はなんとか目処が立ちそうということ。というのはコロナ禍でも応援してくださる支援者の方からの寄付もあるし、補助金なども受けられたりする。逆に言えば来年以降はきついかもという話になってきたんよね。

そんな中でも共有できていたのは、今年、途上国にいきたかった大学生とかは悔しい思いをしているだろうなという問題意識。だからこそ、来年とか海外行けるようになった時に、今年国内でもどかしい思いをしている学生たちに発信する機会を設けようというのが共有できたのは良かった。

そうすると、次に海外に行けるタイミングでフィリピンに行こうと思ってもらいたいから、僕らのNGOの中からスタディツアーとかボランティアプログラムに参加してもらえる人を育てておきたいよねと。それで今回、合同でオンラインイベントをしようという話になった。第3回目の打ち合わせが今日の昼にある。

 

ーおぉ、めっちゃタイムリーっすね笑。これまでとの違いはありますか?

まずは、国内の職員はほぼ僕だけ。フィリピンにいけないのが寂しいかな。ペース的にフィリピンに行くことでモチベーションを保っていたからね。今月から再開している現地の活動もストップしているから発信できることもあんまりなかったんよね。図書館を運営している時だと図書館の様子や子供たちの様子を発信したりもしているがそういうのもあまりない。スタディツアーがないので、収入も下がってしまうのもある。

現地の活動が動かない限りは発信もできないし、発信できないと寄付とか次のアクションも誘導しづらい。その上、スタディツアーがないと参加の機会が減ってしまう。だから割と今でもどうしたらいいかなというのは考えている。そこを考えるのが重要な仕事なんやけど…。

 

ー…。

 

オンラインのイベントはどっちにしてもやらないといけないと思いつつ、僕らも動いている。学生支部の子の話を聞いていても大変。僕が大学生やったら嫌やと思う。フィリピンのNGOの違いがわからないという意見もあったので、これを機会にフィリピンの日系NGOのことをいったん全部知れるという機会が提供できるというのはこの状況でモヤモヤしている日本の大学生にとってもいい機会を提供できるのではないかと思っているかな。

 

答えのない難問と共に

ー現地にも、運営にも、学生にも影響が及んでるんですね。ひろさんも含めて組織の士気はどんな感じでしょうか?

僕個人としては割と今年はしゃーないとしつつ、来年以降に繋がる活動をしていきたいとちょっとずつマインドは切り替わってきてるかな。職員の方でいうと現地に駐在の人がいたけど、たまたまコロナの前くらいに帰国して休職してる。日本人で動いているスタッフは今の所、僕だけ。フィリピン人のスタッフは元気にいるって感じ。

現場の方は単純にすることがない。外出できないので移動の制限がされているし、それによるストレスもかかっている。運営的にもスタディツアーの収益の大半なので「このままじゃやばい」という雰囲気は感じていると思う。そういう意味でも現地の方は割としんどそう。

学生とかはSNSとかオンラインに慣れている分、切り替えは早い。ただ、新入生の歓迎を対面でできなかったのは残念がってたな。学生インターンは3月、4月が入れ替わる時期。4月からは本当は3人行く予定だったのは僕らとしても残念やね。

 

ー外出の制限ってどのくらいなんですかね?なんかロックダウンのイメージが全然違う気がしました。

フィリピンでは各家庭に外出許可証が配られて、その許可証を持った人、つまり、各家庭から一人しか外出できない。その外出許可書を持っていないと取締対象になる。ちなみにその許可証を持ってても21歳以下と65歳以上は外出禁止。僕らの活動は図書館にきてもらったり、お母さんに集まってきてもらったりとか前提だった。それができないし、オンラインに切り替えることもできない。

ーかなり極限状態ですね。そんな中で現地のオンライン環境はどんな感じ?

繋がるけど、画質は悪い。頻繁に途切れたりする。使えるとはちょっと言いにくいかな。

 

ー日本のコロナ禍の制限と比べると制度的、技術的な制限が大きそうですね。そんな中で今後の方針はどのようにお考えですか?

 

この期間、ずっと考えていた。

 

お金の問題はいつまでもつきまとってくる。お金の問題を理事で語る時に一番最初に心配されるのって俺の給料。それって俺がっつり当事者なので、その話されるのしんどい。俺の人件費どうするかみたいな話をしている時間はもったいないなと感じてしまう。

だって、その時間、本当は現地の貧困問題の解決に向けた話し合いができるのに。このことを解決しようと思うと2つしかない。一つはまるっきり心配がなくなるくらい稼ぐこと。もう一つは人件費をなくすこと。極論やけどね。でも、例えば日本人は人件費がなくても事業が回るように運営形態をシフトチェンジするというのは選択肢の一つとして考えていく必要もあるのではないかと個人的には思っている。

NPOの収入源って寄付、会費、助成金、事業収入とか。助成金はタイミングと内容が合わないといけないから運が必要。寄付、会費は頑張っても時間かかる。事業収入だけは正しく頑張ればしっかり回収できる。自分たちの努力次第と考えていた。

でも、今はそもそもフィリピンにいけない。どう頑張ってもお金稼げないみたいな状況はありえるんやなと考えてしまう部分がある。お金稼ぐ方にというよりはお金かからんように努力を変えたほうが良いのかなと最近は思っている部分がある。

 

それは、ソルトを残して、現地を支え続けるためにね。

 

 

現地から希望を見出すオーガナイザーの視点

ー容易い道ではなさそうです。何が鍵になるでしょうか?

それを実現するには現地の人が自立する状態が大前提なので大変だとは思う。続けるには日本からの投入は少なくなってしまう。それが減ったから子どもに支援できなくなるとかだけは避けないといけない。

今後はどこまで何ができるかわからない。だからこそ、現地の人たちが自分たちの力で現地やフィリピンの問題を解決していくんだと思ってもらわないといけない。ただ、本来NGOってそうあるべきやと思う。それを真剣に考え出した。

 

ー現地のリーダーシップが求められるわけですね。その点から言うと学んでいてよかったコミュニティ・オーガナイジング(以下CO)のモジュールはありますか?

「当事者が何を持っているか?」と考えるのはすごく大事やなと。コロナ禍においてもそうやけど、COを最初受けた時からすごい素敵やなと思った。インターンしている時にすっごいモヤモヤしていた。現地のお母さんとかすごい元気で良いところたくさんあるのになと思う。でも本人たちは「私たちにはお金がないし、学校も卒業していないから学力もないし、学歴もない。スキルも知識もない。」と言ってしまうことがある。

カテゴリ分けしてしまうとそこにいるのは社会的弱者と呼ばれる人たちなのかもしれない。だけど、なのか、だからなのかわからないけど自分にないものばかり注目してしまう。当事者である彼らも、支援者と呼ばれる僕たちも。そして、ないと言われれば、それを届けようとする人がいる。お金がないならお金を。食べるものがないなら食べ物を送る。

僕はそれに関してモヤモヤしていた。COのワークショップ(以下WS)を受けた時に「資源」という言葉を使っているけどその人が何を持っているかに注目していたことに共感した。その上でどうしても足りないものは外部の資源を活用してみたいな感じ。

COにおける戦略は地域の人が持っているものに、着目して自分たちの環境を変えるパワーに創るというのはすごいよかった。だから、COの考え方はすごく大事にしている。

現場にいって、地域の人と話すときとかはかなり意識してやるようにしている。例えば何かプロジェクトをしようとするときに、彼女たちは「私たちにそんなスキルや経験はない」と言ってしまうことがある。

でも、そこで「本当にそのスキルってないの?」と聞き返す。すると必ず、小さくても過去に何かの活動をしている。地域内や家族内でリーダーシップを発揮した経験が少なからずある。資源がそこにある前提でコミュニケーションを取れるのはNGOワーカーとして大事なこと。それをCOで学べたなと思う。

 

ー現地の人々にそういう視点で関わってきているわけですね。その上で、どのような課題を感じますか?

距離感は難しい。現地にあるものでとは言いつつ、「困ったら日本に頼れば良い」とどこかで思ってしまってる面もあると思う。もちろん僕たちも「困ったら頼れる存在でありたい」と思って活動を続けてきた面もある。そのバランスは難しい。頼られる存在でありたいと願いつつ、頼られすぎるとよくない気もする。介入しすぎると常に日本から支援があると思われても難しい。今回のような場合は特にね。

 

ーリアリティのあるジレンマを聞かせていただけてありがたいです。その上でそこを乗り越えていくために今、現地に何が必要でしょうか?

大きな成功体験かなと。成功体験ってたくさんあるはずなんですけど、振り返ってみれば成功体験ってあったよねという感じ。外部の人から見た時に成功体験ってわかる。当事者からしたら当たり前にやってきているので成功体験として認識していない。

イメージでいうとそんなに練習してなかったけど、試合で勝てちゃったみたいなのと、めっちゃ練習して勝てたとでは努力することに対する認識が違う。そこが今までふわっと活動してきて、成功体験っぽいのはある。現状、過程が追いついてないかなと。

なので、目標決めて、戦略立てて、プロジェクトを回して成功できたらほんまに自分たちにもできるんだなと思ってもらえるような気がする。2、3年前からその辺りを意識してトライはして、少しずつは形になってきたかなと思う。

 

ー努力に対する認識。突き刺さりますね。その観点から見たときにコロナはピンチに見えますか?チャンスに見えますか?

事業的には大ピンチやなと笑。ただ、チャンスとまでは言わないがこの機会にやれてることはあるかな。ついこの間、現地のスタッフが食料品を購入して、時に大量の食料品を小分けにしないといけないかった。その時に現地とスカイプ繋いだんよ。

話を聞いているとずっと支援される立場だったけど、地域の人たちのために配る食糧配布して、貢献できている自分にはやりがいを感じると。それはチャンスというか単純にうれしかった。

彼女たちは単なる受益者ではなかった。ただただ支援を受け続けるだけの存在ではなかったし、地域のために活動することにやりがいや喜びを感じれる人がそこにいるんやということを改めて確認できた。個人的には希望。そういう人がいないと僕らは成り立たない。

そういう人がいれば、ソルトジャパンがいなくても未来を作れる。そういう人がいるのを確認できたこととそういう一部の人に感じてもらえたのはもしかしたらよかったのかもしれない。

 

社会を変えたいと願う人をつくる

ー苦しい中にも希望が垣間見えているようですね。最後にこれからCOを学ぶ方へのメッセージをお願いします。

ちょっと話変わるけど、NPO法が成立して20周年の記念イヤーの時にNPO成立に携わった松原さんという方が主催する3日間の集中研修に行かしてもらった。その時、松原さんが「NPO法は、NPOという社会を変えるための組織を作るためのものではないんだ」とおっしゃった。

元々、特定非営利活動促進法は市民活動促進法で通そうとしていたらしい。本当は市民活動を促進するための法律だと。NPO法人は市民活動を促進するためのプラットフォームであるべきだと。だから、NPO法人の目的は社会を変えることではなく、社会を変えたいと願う人をつくることだと。

これは僕がCOがすごいなというか、良いなと思ったポイントと重なる。機会や場を提供することだという言葉はすごく衝撃的だった。どっちかっていうとソルトが社会の貧困を解決するんだと思ってたから。僕らだけで変えるわけではないんだと思えた。

COJがやっているのはまさにそういうことだと思う。社会を変えるというよりは社会を変えたいと思う人に技術やスキル、ノウハウ、ネットワークを提供していくという意味では、まさに「NPO法人」だなと。

 

ーなるほど、NPO法にはそんな背景があるんですね。その上でどんな方に受けてもらいたいと思いますか?

「仲間を増やしたい人」かな。個人的には自分が社会を変えたいって思っていることも大切やけど、「周りにすげぇ頑張っている人がいるから応援したい」くらいの人が受けた方がいいかなと。

オーガナイザーは黒子的な感じやし、そういう人が身につけた方が発揮されるスキルだと思う。だから「自分はリーダーなんかじゃない」という人ほど受けて欲しいな。

僕自身もフィリピンで頑張っているお母さんを応援するために自分のスキルを保つようにしている。リーダーシップっていうと、イメージは団体代表とか若干キラキラしている人のイメージがあるかもしれないけど、地道に頑張っている黒子的な役割の人にこそ受けて欲しいな。

 

ーとても共感します。オーガナイズするというのは実際の所、地道な対話の積み重ねだと感じています。目の前の人がどうすれば輝くのかを考えている人の等身大のリーダーシップであることがCOの良さだと感じています。本日は貴重なお話をありがとうございました!

ありがとうございました。

 

次世代のリーダー像とCO

インタビュー中、しばしば訪れた「間」。

そこに一人の実践者としてのひろさんのリアルなジレンマや葛藤が感じられた。

「どうすればいいだろうか?」

もしそんなことを「リーダー」と呼ばれる立場の人が呟いたら叱りつける人がいるかもしれない。「リーダーなのに何の方向性を指し示せていない」と。

しかし…。

しかし、だ。

「僕は今もわからずにいるんだ。あなたはどう思う?」と問いかけることができるリーダーシップがあってもいいと僕は思う。いや、むしろ、先の見通しの立たない時代に一面的な視点から強引に指し示すリーダーシップは却って問題を深刻化させることはないだろうか?

決める力が大事なのはこれまでの時代ときっと変わらない。

でも、それと同じくらい今起きていることに真摯に向き合う力が大切なのだと思う。「どうすればいいだろう?」と僕らが悩むのは、今何が起きているか知りたいという探究心からくるものだと思う。

国境の狭間。様々な想いを揺れ動く難問に挑む彼が、それでもなお、現場から希望を見出そうとする姿勢にオーガナイザーとしての意志を感じた。

 

▼Column:Community Organizingからひろさんの実践を振り返る

ひろさんの実践のなかで最も重要なポイントは「同志」という概念です。

同志…ある目的を達成するために「共に立ち上がる」ことを学んだ人々のこと。

英語ではComrade。僚友(苦労を共にできるような親しさ) 仲間という意味だそうです。ラテン語では「一緒に立ち上がる」となります。

私たちはワークショップの際に「課題に直面する当事者は誰ですか?」と聞きます。それはその課題を解決するためではありますが、その方々を「支援」するためではありません。COのポイントですが、「課題に直面する当事者自身がその課題を解決できるようにすること」が大切です。

課題に直面する同志たちが共に立ち上がり、自分たちの課題を解決していくことを目指して、チームを立ち上げ、戦略を作り、アクションに移していく。

インタビューで現地の母親たちが「私たちには何もない」というところに、ひろさんが「本当にないんですかね?」と聞き返していくシーンがあったかと思いますが、まさに同志が自分自身の持っているものに気づき、自分たちが持っている課題を解決できるように促していくシーンだと思います。

オーガナイザーは、課題を解決してあげる人ではありません。オーガナイザーは課題を解決しようと立ち上がる人々が解決できるようにリーダーシップを高めていく存在です。この考え方は医療、教育、福祉に限らず、ビジネスの現場などでも応用できるものだと思いますので、課題解決を目指す全ての皆さんに学んでいただければと思います。

▼最後に

9月12日 – 13日にそんなCOを学べる2日間のワークショップがあります。実践しながら学びますので、2日目を終える頃にはこの記事のひろさんの実践がまた違って読めると思います。もしよかったらこちらもチェックしてみてください。なお、早割が8/7と迫っておりますので、お早めのご決断をお勧めいたします。

https://www.facebook.com/events/313690556476311/

▼コロナ禍の私たち – コミュニティオーガナイジングはどう生きたのか? –第一回:山口浩次篇はこちら

http://communityorganizing.jp/blog/interviewcovid19/?fbclid=IwAR0rnKd_6AjBd2Ci9pKf6sOzTJYl2SixzejiBbiUOgMCS0ckk6yt9z0gLG0