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2019年04月11日
第100回ピースボートクルーズ乗船レポート②

ピースボート乗船レポート②は、地球大学ゼミについて報告します。

地球大学はコーディネータがゼミ生の学びをサポートし、講師を担当する水先案内人との調整も行います。コーディネータのおふたりとは100回クルーズ出航前に2度、東京都内で打ち合わせをして、

コーディネータのおふたりと

「地球1周で感じた課題に対して『何もできない』ではなく『これならできそう』という思いを持って船を降りてほしいね!」と話しました。そこで、ゼミではどうやってその課題に対して行動するか、コミュニティ・オーガナイジングの戦略の立て方を基に、実際に戦略を作るワークを取り入れ、そしてそのワークの結果を発表する場も用意しました。

乗船3日目の16:30が私のゼミスタートでした。10代~30代のゼミ生との顔合わせです。そこから4回の内容が以下です。

1回目:
・【講義】全体像(4回のゼミを通して何をしようと思っているか)を伝える
・【全体共有】(予め作ってもらったチーム毎に)チーム名とどんな社会を目指したいかを表した「共有目的」の発表
・【講義】「機能するチーム」について

カーペット敷きのセミナールームで終始リラックスムード

・【全体ワーク】ゼミの進め方の「ノーム(グラウンドルール)」づくり

2回目:
・【講義】「コミュニティ・オーガナイジングにおける戦略とは何か(前半)」(事例「青空が欲しい」を読み解きながら)
・【グループワーク】「戦略的ゴール(目指す社会に近づく最初の目標)」づくり…私たちの同志は誰か、同志はどんな困難に直面しているのか、同志が力を合わせたらどんな変化が起こせるか
・【グループワーク】(機能するチームになるために)グループ内での役割分担

3回目:
・【講義】「コミュニティ・オーガナイジングにおける戦略とは何か(後半)」(事例「青空が欲しい」を読み解きながら)
・【グループワーク】関係者分析…戦略的ゴールを達成するために、どんな関係者がいるか。関係者はそれぞれどんな関心と資源を持っているか

大きな課題を手触り感のあるゴールにするためにみんなで考えます

・【グループワーク】「オーガナイジング・センテンス(いつまでにどうやって戦略的ゴールを達成するかを表す一文)」づくり…同志の力をどう使うと、メンバーが目指す社会に近づく最初のゴールが達成できるか

4回目:
・【講義】「コミュニティ・オーガナイジングにおける戦術とは何か」(ピースボート小学校5年生になって考える)
・【グループワーク】戦略的ゴール達成までのタイムライン作成…自分も参加したくなって友だちも誘いたくなって、より人々の力を集められる戦術とはどういうものか、同志の力が高まるタイムラインになっているか
・【グループワーク】「同志が困難に直面している絵」と「戦略的ゴールの絵」作成

予備日程を使って4グループが
①オーガナイジング・センテンス
②同志が困難に直面している絵
③ゴール達成のタイムライン
④戦略的ゴールの絵
を完成させ、さらに言語対応が必要なので発表原稿を作り上げました。また、グループワークには加わらなかったものの、ゼミ生として学び続けたGさんが司会を担当することになり、その司会原稿も出来上がり、下船まであと1週間ほどとなった3月26日に「Think global,Act local 地球大学最終発表」が行われました。船を降りれば住んでいる場所が離れていたり、学生・社会人など生活リズムも違ったり、そんな自分たちが具体的な戦略など立てられるのか、というところからのスタートでしたが、ワークを進めるうちに、「これホントにできそうだね」という実感が持てたり、「ドイツに留学していたとき、デモはなんだか楽しそうだったけれど、日本ではそうじゃない」という気づきを共有するメンバーがいたりしました。ひとりではできないことをみんな(同志)の力を合わせて行動するために、具体的にどのような手順で何を考え、作れば良いのかを、みんな真剣に学びました。その結果を発表すると、会場の200人ほどのみなさんから大きな拍手が起こ

発表の最後に全員がステージ上に

り、報告会後「もっと大きくメディアに取り上げてもらうには」とアイディアを下さる方や、「応援したいのだけれど、どうやって彼らの取り組みを見つければ良いの?」と質問してくださる方もいらっしゃいました。また、かつての地球大学生で今はピースボートのスタッフをしているEさんは、「ふわっとした発表ではなくて、いつ、どこで、誰が何人で何をする。あそこまで具体的に考えられていて驚いたし、本当にできそうと思えた」と感想を話してくれました。
4グループの発表資料、ぜひご覧ください!

発表の翌日、地球大学ゼミ最終回があり、ゼミ生が1人ひとり語った言葉は全部ここで紹介したいくらい、彼ら自身の成長を表すものでした。ほんの一部ですが紹介します。

・みんなで学んでいる感じがすごくよかった。同じ地大生は陸に降りてからも「こう考えているかも」と思える仲間がいると思えることがすごく大きい
・友だちができた。例えばレインボーパレード行くにしても誰かを誘えるのは大きい。今までは個だったけれど、これからは「つながれる」という希望がある
・もとから知っていることも多かったけれど、そのことについて話せる空間と仲間がいることが大きい。有意義だったかどうかをほんとうにわかるのは今後。ここで会えた仲間は一生の仲間。これからもつながっていきたい
・世界平和に対して「みんなが幸せになる世界なんて作れないよな」という気持ちが沸き上がったけれど、ゼロにしちゃいけない。何もしなければ何も変わらない。アクションを続けることで、100にはならなくても100には近付ける。物足りないものはいくらでもあるけれど得られたこともたくさんある。日本に帰ってもこういう場所を自分が提供したい

第100回ピースボートクルーズ地球大学プログラムに関われて、とてもしあわせです。私もみなさんとこれからもつながっていきたいです!ありがとうございました。

地球大学EndingCeremonyにて

安谷屋貴子(COJ事務局長)